瀬の中(動水、流水、スイフトウォーター)での、スイミングやロープレスキューなどのレスキュースキルは、基本的にカヌー、カヤック、ラフティングなどのパドルスポーツと同じです。落水が多いだけにレスキューが必要な機会は必然的に多くなるので、正しい知識と技術をしっかりと身につけましょう。
レスキューの第一原則はセルフレスキューです。泳いだら自助努力で復帰するのが基本。流れの中、他のメンバーからの助けを期待するのは困難です。
少しでも流れのある環境では、動水圧が発生します。この動水圧の危険性を十分に理解してください。流れの中のログやシ―ブやアンダーカットロックなど危険箇所を確実に回避します。浅い瀬でも、水中の障害物に足を挟んで外れなくなるフットエントラップメントの危険性もあります。
危険な状況に陥る前に、早い判断でボードやパドルをリリースすべきです。リーシュが倒木に絡まって起きた死亡事故も海外では既に発生しています。リーシュを使う場合には、PFDのクイックリリースハーネスや、何らかのリリース機構が付いたリーシュを用いることが前提です。仮に道具を流してしまっても、大抵は後で回収できます。自分自身の安全を最優先に確保します。
スローバック、ナイフ、ホイッスルは必携です。
スローバックはしっかりとした足場を確保して投げます。要救助者をキャッチした時のテンションに備え、他のメンバーに支えてもらうなど体制を整え、バック からロープを5~6m引出して効き腕と逆の手でしっかり握ったまま、効き腕でバック側を投げます。狙いは、要救助者に当てるくらいか少しだけ下流側が良いでしょう。 要救助者にバックを掴ませて、流れの力で要救助者を振り子のように振って岸へと引き寄せます。
使いこなすにはある程度の訓練が必要ですが、十分できるように なっておくこと画必要です。但し、これがあるから万全というわけではなく、他のレスキューのスキルについても積極的に学んでください。
大切なレスキュー哲学として、レスキュアーとして救助に臨むときの優先順位を以下に記します。
1)自分の安全(セルフレスキュー・ファースト)
2)グループメンバーの安全(チームレスキュー・セカンド)
3)最後が要救助者の安全(ビクティムレスキュー・ラスト)
自分を危険にさらすギャンブル・レスキューは決して行ってはならない。
RESCUE3JAPANのスイフトウオーターレスキューコースなどの講習・資格制度などのコースが提供されています。当協会ではホワイトウオーター出る前に、SRT-1もしくはそれに相当するスキルレベルを推奨します。